"Contest of the Cream, Kabuki and Pleasure Quarter" by Utagawa Toyokuni(Utagawa Kunisada)
作品名: 柳街梨園 全盛花一対(やなぎまちりえん ぜんせいはないっつい)
作者: 歌川豊国(歌川国貞)(うたがわとよくに)/大判錦絵/慶応元年(1865年)頃
素材: レーヨンフジエット
プリント: オーバープリント
ボタン: 茶蝶貝ボタン
DETAIL OF ALOHA SHIRT(ヴィンテージアロハシャツのディテール)
日本では歌舞伎の世界を意味する梨園(りえん)。その語源は唐の時代の中国にあり、宮廷音楽を継承する施設が梨を植えられた庭園にあったことから、音楽や舞踊にまつわるものを「梨園」と呼ぶようになったと言われている。本作は三代目・歌川豊国(歌川国貞)が晩年に手がけた「柳街梨園 全盛花一対」シリーズの一枚。掛札には歌舞伎の演目を書き、龍の刺青が勇ましい市川蝶枡(いちかわちょうます)と、懐紙を咥えて彼を見つめる遊女、岡田屋内田毎(おかだやうちたごと)の姿を扇の中に美しく描き出している。
江戸後期の浮世絵界を代表する絵師、歌川国貞は天明6年(1786年)、江戸本所の材木問屋の家に生まれた。彼の描く美人画は一世を風靡し、さらには役者絵の評価も高く、師匠であった初代歌川豊国をも越えたと言われていた。天保15年(1844年)には三代目豊国を襲名。作品制作に対して非常に意欲的で、当時の浮世絵師のなかで最も多くの作品を残しており、その数は1万点以上にも及ぶ。
「日本の意匠 National Treasure of Japan」とは?
日本の文化芸術がさらなる広がりをみせた江戸時代の絵師たちに焦点を当て、アロハシャツというキャンバスに巨匠たちの作品を再現し、日本が世界に誇る意匠(デザイン)に込められた情熱を現代に蘇らせる。葛飾北斎の作品とのコラボレーションから始まったこのシリーズは新たなアーティストを加え、次なる展開を迎える。 © 東京国立博物館 TOKYO NATIONAL MUSEUM
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